映画についてのあれこれ(2)

ウッディ・アレンの映画を観るの辞めて2年になる。きっかけは、2018年に彼の成人した養女ディラン・ファローが、子供の頃に彼に性的虐待を受けたことを告発するYouTube を観たからだ。私は確信的に彼女の告発を信じた。 詳しい経緯を知りたい人は以下の記事…

映画についてのあれこれ ⑴

昨日、久しぶりに北野武監督の『HANA-BI』を観た。もう何回観たか、分からない。見るたびに良く出来ているなと感心する。とりわけコロナで家籠りが長くなって、新作映画を中心に映画三昧の日々なのだが、見る作品も玉石混合というか玉より石が多い状態が続い…

自分の庭でいつもジタバタ

この秋もコミュニティ・カレッジでアートのクラスを取り始めた。シルクスクリーンのクラスで、これは全くの未経験。木版画はしばらくやっているのだけど、勝手がちょっと違ってまだうろうろしている。 クラスは大学生世代の若い人がほとんどで、中には驚くほ…

夫も子供も孫もいません。

自慢の猫 先日女性ばかりの職場でボランティアをしている際、あるローカル女性と自己紹介を兼ねて「結婚もしていないし、子供も孫もいないのです。自分自分ってことに拘って生きてきました。」という話をした。すると翌週その女性が、他の女性が数人いるとこ…

個を全うする

私と同じ年の友人が亡くなった。知ったのは数日前。40年以上住んでいた日本を離れ、母国に帰って2年後だった。彼女とガンの付き合いは長く、最初に発病したのはたぶん20年以上前だったと思う。そして、一旦回復したガンが戻ってきたのは7-8年前、何やら面…

祖母とパチンコ、酒とプロレスと、、、

母方の祖母とは彼女が亡くなるまで一緒に生活した。私が小6の時に脳溢血で倒れ、入院することもなく、薄暗い自宅3畳間で二日間ほど大いびきをかいたのち、あっという間に亡くなった。私には老婆にしか見えなかったが、享年は63歳。アルコール依存症が彼女…

フェミニスト・アートの歴史

以下は2011年に米国で公開されたフェミニスト・アートに関するドキュメンタリー映画『!Women Art Revolution』(!W.A.R 戦争の意)の紹介文です。今見ても充分楽しめる映画で、ゲージュツが大爆発している。 写真クレジット:A Zeitgeist Films Release このド…

母と父権制2ー男のタネと女の穢れ

「母と父権制」を書いてから、ずっと考えていることがある。母そして祖母もなのだが、晩年になって夫を毛嫌いしていたということだ。あれだけ男子誕生をありがたがっていたのに、自分が選んだ男は露骨に尻の下どころか、下駄の下扱いだった。なぜだろう? 母…

母と父権制

去年の秋に母が逝った。介護施設で4年ほど過ごし、最後の年は認知症が始まって、私の顔も思い出せない状態だったが、あまり悲しいとは思わなかった。母の意識の中で、認知症が出る何年も前から私が消えていたことがわかっていたからだ。 私は海外で暮らして…

elles@centrepompidou

写真クレジット: elles@centrepompidou 10年以上前に初めて訪ねたパリで刺激的な展示会を観た。その時に興奮して書いた記事をここで復刻しよう。 ****** ポンピドゥー・センター内にある国立近代美術館のelles@centrepompidou (彼女たち@centrepompidou)…

ジャクソン・ポロック

SFMOMA, "Guardians of the Secret" だいぶ前に、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)の75周年記念展示を見に行って、面白い絵と出会った。ジャクソン・ポロックの "Guardians of the Secret" だ。ポロックはアメリカの抽象表現主義を代表する画家で、その…

毛糸の巾着袋

こんな感じのイメージ 母が私に作ってくれたものを思い出そうとすると、必ず出てくるイメージがある。いやむしろ、そのイメージしか思い出せない。それは、濃い肌色の毛糸で編んだ弁当箱入れだ。毛糸の紐で上部を絞る巾着タイプの袋で、あれは確かに母が編ん…

崎陽軒のシュウマイ

ここ何年も菜食を続けているので、もう食べることはなくなってしまったが、忘れらない美味しさとして私の中にあるものの一つに崎陽軒のシュウマイがある。あの味は、家族旅行で必ず起きた小さなドラマと共に、忘れることが出来ない。まだ新幹線などができる…

私は「ネガティブ」

先日、町の画家たちが集まる写生会に初めて参加した。島暮らしなので、写生会はもっぱらビーチで行われているが、時々滝のある景観地というか森の中というか、正直ジャングルみたいなところでも写生をしているようで、ネット付き帽子や蚊除けスプレー持参の…

ケーテ・コルヴィッツでゲージュツは爆発した

これはドイツの19世紀末期の版画家、彫刻家ケーテ・コルヴィッツ晩年の自画像だ。この作品をネット見つけたのは、この春受講していたFigure Drawing (ヌードのデッサン) のクラスで、Master Drawing(有名画家のデッサン)の模写の宿題が出て、どのマスタ…

上野の森、裸、はだか、ハダカ、

去年の秋、上野にムンクの美術展を見に行った帰り、西洋微物館の前で、この大看板が目についた。 「ルーベンス展かあ、見たいかなあ」と思っていると、大きな声が聞こえた。「ハダカばっか!」声の主は母親と歩いていた8-9歳の女の子で、「なんかイヤだあ…